「和佳菜、貴女も気がついていたでしょう?」
「勿論」
気がついていた。
尾行になれない彼らの尾行を勘づくのは、時期的にはかなり早かったと思う。
だけど、大きな行動は起こさなかった。
何故って、彼らがあたしに接触するつもりがないのが見て取れたから。
ただ見守るように、あたしを尾行していたのをきちんと理解していたから。
「なら、いいんじゃない?和佳菜は自分のプライベートが見られるとこを承知しているし。貴方の尾行に、気がついていたのだから」
そういうとそれから、それで?と先を促した。
「確認に上がりました。…本日、日本を発たれるのは事実でしょうか?」
ママをにっと右の広角だけを上げ、それから。
「本当よ」
と言い放った。



