「なに食べる?」

「お昼はまだ早いし、軽食があると便利なんだけど」

そんなものはなく、結局選んだのはジュースだった。



「…Don’t …………!!!!!」


「何事かしら?」

しかしいつまで経っても、ジュースは来ない。

それどころか、厨房の方が騒がしい。

その時ウエイトレスが止めに入るのを振り切った、1人の男の姿が目に映った。


え…?貴方は。


「お食事のところを、失礼を承知で申し上げます」

彼はとても息を切らしていて、そしてとても疲れていた。

走った後なのか、汗が滲んでいるのがわかる。

なおも止めようとする、ウエイトレスをママが片手で制した。

「…なんの御用かしら?こんなところまで来て、どうでもいい話だったら承知しないわよ」

ママの広角は上がっているが、同時に目もつり上がっていた。

家族であるあたしから見ても怖い。

だけど相手も相手で肝が据わっているのか、全く動じずに、ママの目を見て言った。



「和佳菜を国外へ連れ出すのは本当ですか?」