「仁君と話さなくていいの?」
「いいの。あの日もう話はしたのだから」
「でも、あれから……」
ピーンポーン……!
わかる。
ママの言いたいことは分かっている。
今だってそう、だれが来たかあたしはわかる。
この時間だから、予想がついてしまうのだ。
「何度来たって無駄なのに。あたしはもう会わないって言っているのだから」
インターホン越しにあたしを見つめる仁に、言うことはない。
あの日から、毎日会いに来る仁にため息ばかりが漏れる。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…