「え?」

「決めたの」

「そんな!ママもあの時は気が立っていて、3日で決めろとか言い出したけど、いいのよ。もっとじっくりと考えても」

「ううん、考えない方がいいと思うの」

考えたら、きっとあたしはここに残りたいと思ってしまう。

そんな選択肢はないのに。

お祖父様の家だって、他県だからものすごく遠い。

どんなことをしたって、もうここに戻ることはない。

ならば、あんな地獄みたいなお祖父様の家に行くよりは、ママがいるイギリス・ロンドンに行った方が絶対に良い。

ここにいたいと、駄々をこねてまたママに迷惑をかけてしまう。

そんなことは、もうしたくなかった。