ふざけんな!

巻き上がる怒りを、一身に受けた。

「総長が!どれだけお前に尽くしたか、知ってんのか!」

知っているよ。

「総長にとってお前がどれだけ大事な存在か知らねえのか!」

分かっているよ。

「どれだけ辛い思いをしていたか!俺らが貴女のことをどれだけ好きだったか!」

あたしもね、大好きだった。

いいえ、過去形じゃないね。

大好きよ。

今も変わらない。

みんなが大好き。

「自分勝手じゃないですか!」

そうだね、自分勝手だよ。

だけど、だけど、こうするしかないの。

あたしの決意を、知ってほしい。

理解しろ、とは言わないから。

「俺らが探してたのは、そんなやつだったのかよ!」

そんなやつ、か。

そうだね、そんなやつだね。


「…ごめんなさい」

あたしは謝る事しか出来ない。