ずっと迷ってなんていなかった。

だけど、貴方は。



ひどくあたしを掻き乱す。


「皆さん、お久しぶりです」

ひとつ、ゆっくりと息を吐いた。

貴方の望むかたちがそれならば、…あたしは決めた道を選ぶ。

あたしも伝えに行く。

あたしが感じたことを正直に、真っ直ぐに。

「今日は抜けたあたしのために集まってくれて、ありがとう」

上から見下ろすのは好きじゃないけど、みんなに言葉を伝えるにはこれが一番伝わる。

知っている、だからあとはあたしが精一杯届けるようにするだけだ。

「仁達幹部がどんな風に説明をしたかはわかりませんが、あたしはあたしの言葉でお話したいと思います」

あたまを下げてから、小さく息を吸った。

「あたしは12代目獅獣総長で叔父の琢磨に嵌められて、皆さんの目の前から去ることにしました。それから、あたしは思わぬ形で元彼と再会しました。みんなも知っている通り、マークです。そこからあたしは再び彼を好きになり、彼に溺れ、捨てられました。そうしたところを仁は拾ってくれました」

そしてあたしはこれから酷い人間になる。

人を傷つけて、ボロボロにする。

きっともうここには戻って来られない。


それでも、あたしは。


この選択以外、考えられなかったの。