「だから、貴方は特別。あたしの日常にいるという、特別なの。だから、会えなくて寂しいとか嬉しいとかはあまりないけど、あたしは貴方に会えた日の夜は必ず貴方が思い浮かんでくるの。それくらい、あたしの日常の一部であるのは確かだから」
だから、寂しそうにしないで。
眉根を寄せて、泣きそうな顔をしないで。
「なんだよ…」
「あら、少しはいい気分になったかしら?」
そうしたら少しムッとしたように、唇をとがさせて。
「手の中で踊らされてるみたいで腹立つけどな」
「あ、でも否定はしないのね」
「しねえよ」
それから、ぼそりと隣で呟いた。
「とっくの前からお前はおれの特別だよ」