「…実はここが1番緊張しているの」 「綾か?」 「も、そうだけど。それを言うなら幹部全員だけど、1番は悠人」 「悠人?あいつが?」 「そうよ。悠人はあたしを嫌っているから」 そして、パソコンに向き合ってばかりで生身の人間を多く見ていない印象があったから。 まだ、苦手。 「思ったより嫌いじゃねえと思うけど。あいつ、素直じゃねえから」 「じゃあ、それって」 「行くぞ。綾達が待ってる」 あたしの言葉を聞かずに、仁は幹部室のドアを開けた。 「…和佳菜!」