「ほら、似合わないでしょ」
無駄に裾を揺らしながら、仁の前に出た。
もう、こうなったらどうにでもなれ。
そう思って、笑ってみせた。
ところが。
「お前…それどこで買った?」
「どこって、琢磨が勝手に買ってきたから知らないけど」
「…琢磨さん、センス良すぎかよ」
「なんて言った?」
ボソリと呟いた言葉はあたしにはよく聞こえなかった。
「なんでもねえよ。行くぞ」
「どこに?というか、あのさ、仁!」
「なんだ」
「なんでそんなに顔が赤いの?」
仁の顔は真っ赤で。
ちょっと笑いたくなってしまうほどに。
可愛かった。