「ラフ過ぎても困るな。…普通にしろ。普通に」
「それが難しいから聞いてるのでしょう!」
「じゃ、選んでやる」
そういうと、スタスタとクローゼットに行くと、素早く、これとこれ…と何やら呟き、いくつかの服を持ってきた。
「これがいい」
差し出したのは黒いワンピース。
袖にフリルをあしらった
あたしの好みではないのに、琢磨が置いて行ったものだった。
「これ…?」
「お前に似合うだろ」
「…似合わないわよ。それだったら、自分で選ぶわ」
「いいから着て来い」
最終的には洗面所に追いやられ、渋々袖を通す。
着たはいいが、出たくはない。
なぜって、似合っていないのを鏡で自覚してしまったから。
「…どうだ?」
仁の催促が来るまで出ていかないつもりだったが、思ったよりも早く催促が来た。



