蒼の花と荒れる野獣


「そういえば、長い間琢磨に会っていない気がする」

最後に会ったのは、再会した時。

随分と心配された割にはあっさりしているような。

「あー、琢磨さんはしばらく、護衛休むって。代わりに立候補したけど断られた」

「護衛休むって」

「詳しい事は知らないけど。ま、しばらくしたら出てくるんじゃない」

「楽観的ね」

「いちいち心配なんてできねえよ。だから、気長に待ってろ」

それからさあて、行くかあと、立ち上がった。


「帰るの?」

「へ?帰らねえけど。これから出かけるぞ。準備しとけ」

出かける?

「どこに行くの」

「着いてからのお楽しみ」

「ほら、格好は大切じゃない?」

パーティーや社交界だったなら、綺麗に着飾らなければならないけれど。

そこからへんのスーパーに行くなら、パーカーにジーンズで十分だ。

あの手この手で、一生懸命に説明すると、仁は少し黙ってから。