仁は黙って聞いていた。
それから、菅谷と、運転席にいる彼を呼ぶと。
「…病院に連れてけ」
静かに命令をした。
「ちょっとまって。ねえ、あたしがおかしいって言いたいの?」
「…出せ」
「ねえ、仁!聞いているの?」
「和佳菜のお母様には連絡を入れておく」
「そういうことが聴きたいんじゃないの」
彼はあたしの目を見て。
「お前は少し休め」
といった。
「…休む?」
「ああ、その数ヶ月。色々とありすぎただろう?だからゆっくり休め。別にお前がおかしいとかそういうことを言いたいんじゃない」
「休むって、…何をするの?」
「寝てろ」
「ホテルにいた頃と変わらないじゃない」
「じゃあ、違う意味を持たせよう」
違う、意味。
とはなんだろう。



