「どこ行ってたんだ」
「…好きな人のところ」
「お前、趣味悪いな。あんなやつ好きなのか?」
「…多分」
「多分ってなんだよ。てか、お前の居場所はここだろ?あいつのとこじゃねえだろ」
「だけど、琢磨が…」
「琢磨さんなんか、あとでどうとでもなるだろ」
「それに、迎えに来てくれなかった」
「あの日はたまたま行けなかっただけだ。お前の方が学校で避けてただろ。獅獣との接近禁止令が出てからお前とあったことがない」
…そうだった、な。
逢いたくなくて、保健室や空き教室で時間を潰していたから。
学校に午後から行った日も多かったし。
逆に午前での早退もあった。
とにかくあの頃は怠くて、何もしたくなくて。
琢磨にも反抗して、随分と怒られた気もする。
気がするというのは、前の話なので、覚えていることが少ないなら。
懐かしい気持ちでいっぱいだ、まだ二ヶ月しか経っていないのに。