にっこりと微笑むと、マークはそっぽを向いた。
「なに?どうしたの?」
[やめて、見ないで]
「あ、マークの顔真っ赤になってる!」
[ちょっと、見ないでって言ったでしょ]
ふふ、可愛い。
そんなところも好きだなぁ。
「…和佳菜、好きだよ。愛してる」
そのまま、ゆっくりと私を押し倒す。
「私もよ」
そうしたら彼は少し不満げに、眉を顰めた。
「和佳菜、好きって言って」
「え…?」
「俺に君の心を頂戴。いつも和佳菜、どこか上の空だから、いつも君の心が遠かった」
「マーク……」
「いつも君は好きって、俺に言ってくれないだろ?」
気がついていたんだ、私が好きって言わないことを。
「だけど、今ならくれる気がするんだ。…ねえ、俺に君の好きを頂戴……?」
今にも触れそうな唇。
近すぎて見えないほど、貴方の吐息が私にかかるほど、近い。
このままだと、好きもなにも言えないまま貴方に抱かれそう。
それは嫌。
最近随分、側にいてくれなかったのだから、少しお預けしたって、構わないよね?