そっか……私、マークに恋しているんだ。
これが恋、なのか。
だけど、そこに微妙な違和感を感じるのは何故なのだろう。
胸がときめく感覚は言うまでもなく、恋なんだと自覚するのに。
それではない、何か、が、まだ分からないなにかが、私の心を締め付ける。
…分からない。
分からないからセブさんにも言えないまま静かに心の中にしまった。
[マーク様にお伝えすると良いですよ。…きっと喜んでくださいます]
[…そうかしら。私のことを嫌いだったら、マークは困るでしょう?]
[いいえ、嫌いなんてことはありませんよ。マーク様に限ってそんなことは絶対ありません。わたくしが保障いたしましょう]
[……本当に?]
[はい]
セブさんの目がきちんとこちらを向いていたから、きっとそうなのかもしれない、と思えてしまった。
いやいや、お世辞でも綺麗とは言えないこの私よ?
好きなんて思ってくれるかしら。
だけどそうだったらいいなという期待を滲ませて、私もセブさんに微笑んだ。
それからしばらくして、そろそろ出ようかと、思った頃。
不意に、セブさんがこう言った。
[不躾に申し訳ありません。ワカナ様は、逃げたいとは思われないのですか?]



