だから、この中は私達以外の話声は一切しないし、音楽はマーク好みのジャズしか流れない。
それがなんだか、喋りづらい原因にもなっているけど。
「ねえ、それよりもアメリカに行く予定は決まったの?」
[それが…]
あーあ、顔で分かってしまう。
なんだかマークに近づきすぎている自分に腹がたった。
「また、白紙…?」
[ごめん、和佳菜]
この頃、アメリカに行く予定が立てられては消え、立てられては消える日々が続いていた。
「もう4回目よ?最初にアメリカに行く話を聞いてから、半月は確実に経ってる。今度はどんな言い訳をするの?」



