ピーポーピーポー…………。


真夜中のサイレンに、私は目を覚ました。

ベッドに横たわるマークは、穏やかな寝顔を浮かべていて、救急車のサイレンには気がついていないようだった。

「こんな真夜中に何かしら」

裸の私は、脱ぎ捨ててあったガウンに身を包むと、少しだけドアを開けた。


[ワカナ様、どこに行かれるのですか?]

さすが優秀なセブ。

依頼主のマークさえもが、眠っているこの時間でも任務遂行の為、ずっと起きている。