「じゃーさ、一緒に帰るくらいいいだろ」 「人の話聞いてた?綾に構ってる暇は……」 「あるだろ?一緒に帰るだけだ。何がそんなに不安なんだ」 「不満とかの問題じゃない。ないから言ってるの。いいでしょう?どうせ明日は構ってあげるんだから」 「構ってあげる、って、なんだよ。俺は犬かよ」 「そうね、そんな風に思ってもいいかもね」 そう行って筆箱とサイフしか入っていない鞄を背負う。 「じゃ、お先に」 そう言ってドアへと歩く。