嫌な予感は、よく的中するの。

マーク登場から感じた予感は、確かに現実となって現れたことにあたしは驚いて、息さえも途絶えそう。

それが明確に感じたのは、あの人がお祖父様とご挨拶をした時。

あの人は微かに笑ったのだ。

お祖父様の顔を見て。

あの人の顔はいつだってあたしには恐怖でしかない。

だから、あたしには、顔を見つめることはほんの数秒しか出来ないのだけど。

それでも感じたのだ。

明らかな不敵な笑みを。

そう思ったら琢磨が来ないのも、マークが仕組んでいるとしか思えなくなった。

そして、きっとその想像は……あっている。


何故ってもちろん、貴方が今も優美に微笑んでいるから。



どこからか煙が撒かれて。


[久しぶりだね、和佳菜。君とまた2人でゆっくりと話せる]


貴方の流暢な英語が聴こえてきた瞬間に、あたしは。


ああ、もう戻れないかもしれないと、全ての運命を受け入れる覚悟を決めた。