蒼の花と荒れる野獣



30分ほどで支度はすみ、会計をいれようとすると。

「水島様なのでお題は結構でございます」

平然とそのように店長と見られる方に、言われたが。

「そのようなことはなりません。わたくしは、きちんとした利用を心掛けているの」

そう言って財布から1万円を抜き取ると、店長に渡した。


「お釣り結構よ」



そんな!と、引き止める店長を無視して、店を出ると停めてあった琢磨の車に乗り込む。

「いいのか?あんなことを。お祖父様に知られたら怒られるぞ」

琢磨が不満そうに目を細めた。

「いいのよ。あたしはクリーンにサービスを受けただけのこと。お祖父様が否定する理由はないわ」

「それで通じる人じゃねえだろ」

「どうだか?あの方、あたしには弱いから。ほら、琢磨。はやく車を出して。パーティーに遅れたら、お祖父様に言い訳できない」

はいはい、なんて面倒臭そうに顔をしかめながら、車をゆっくりと進め始める。