外には仁の家のものよりは、安そうな軽乗車が、正門近くの路肩に寄せてあった。
車にそれぞれ、運転席、助手席に乗り込むと、ゆっくりと走り出す。
「…だから、なんで来たの。一緒に住んでないでしょう。またガチガチにあたしの行動を固めるの?」
走り始めてしばらくしてからあげた声が随分と冷めているあたしに琢磨は少し笑って。
「ま、固めないといけねえわな。なんせ仁はいないし、獅獣の皆さんもいないんでね」
「ねえ、貴方は全部知っていたのでしょう?あたしにした勘違いを琢磨は全部理解していた。だけどそれでもなお琢磨は、獅獣とあたしを引き離すつもりだった。もう、決めていた」
琢磨は笑っている。
口元だけが綺麗に笑っている。
その目はあたしを映していないのだけれど。
なにも映していないのだけれど。
「…………ねえ、何故?あたしは決め事をするときはいつも、あたしは蚊帳の外だった。今回もそうしたいの?あたしがそれでどれだけ悲しんだか……!」
「和佳菜」
琢磨は静かにあたしを制した。
やめろと、こんなことで怒るなと。
そう言われた気がした。



