「何かのきっかけで和佳菜本人が幸せじゃない、辛いなどと言ったその時にはこちらに引き戻し、こちらで面倒を見ると」
「あたし、だから」
「そう、和佳菜はあの時獅獣に居たかったならば嘘でも幸せと答えなきゃいけなかったんだ。でも和佳菜は……」
「あたしっ……あたし……!」
リビングを出て行こうとしたあたしを昌さんが止めた。
「琢磨は一度決めたことは何があってもやり通すやつだ。今回の決定を簡単に覆すとは思えない」
「じゃあ、何をしろっていうの!」
「ひとまずはここにいろ。それから冷静になってじっくり作戦をたてるんだ。…和佳菜、お前は戻りたいんだろ?」
「もちろん」
「なら、冷静になれ。琢磨がどんな人間か1番お前が、よく解ってるだろ?」
琢磨が、どんな人間か……。
「今こそ、お前の得意な “駆け引き” を使うべきなんだよ」



