あーあ。
やっぱりと思ってしまったあたしは、この結果を望んではいなかった。
「……なんのつもり?みんなして」
ここには12代目の獅獣のメンバー全員が顔を揃えていたのである。
まるで、あたしがここに来るのを待っていたかのように。
「情報あげたり。撹乱させたり。みんなはこの結果を望んでいたのね?」
彼らは肯定するように何も言わない。
おかしいとは、思っていたんだ。
[獅獣のメンバーも何人か襲われているらしい]
どこから知ったのかわからない情報。
情報通の昌さんは現在この街にいない。
違う街で家族を持っている。
そんな彼がこの街の情報に詳しいはずがない。
[アメリカの大学を飛び級で合格し、そのまま卒業した水島和佳菜さん?]
綾の情報元は依然として特定できずにいた。
だけど、このことがつながっているならすべて納得がいく。
[襲われても、琢磨達は来なかった]
こちらの街にきて初めて駆け引きをしたあの日。
どんなにピンチの状況であろうと、彼らは来なかった。
彼らの性格上、行かないことはありえない。



