「頭の真ん中に当たって、多分先代は即死だったよ。その時キレたのが先代に気に入れられてた仁で、そいつから武器を早々に取り上げると、ずっと殴ってた」
翔の遠い目があたしには辛かった。
「それがbeastの誕生」
最近滅多に聞かなくなっていた、野獣というその名。
思いがけずに、その話を聞いたあたしは何をすれば良いのだろう?
「俺の話はいいだろ、翔」
「順を追って話さなきゃ理解できねえよ。物事は深く絡まりあってるだろう?」
その時、電話が鳴った。
聞いたことのない、イメージするなら、古い時計が鳴らすようなピアノの音。
残念ながら、あたしはクラッシックに詳しくないから、なんの曲かはわからない。
「……出てくる。終わったら呼べ」
仁は携帯も見ていないのに、自分と分かったらしく、携帯を持って出て行った。



