「…和佳菜は知らないと思うけど、Breakと獅獣で2年前にでかい抗争があったんだよ」
翔がふくむようにゆっくりと語り出す。
「2年前の抗争…」
あたしがこっちにいない頃の話だ。
「その時俺らはまだまだ下っ端で。先代の前衛に回って力を尽くしていたんだ。…その時、当時のBreakの総長がどっからか銃を取り出してうちの当時の総長に向けて打った」
「拳銃なんて……」
『子供が使っていい代物じゃない』
あの人がそう言っていた。
あの人のところに拳銃を買いに来る少年や少女にそう言ってよく追い払っていた。
あの人は子供が好きだった。
だから、子供を傷つけることは絶対にしなかった。
…あたしも子供だと思われていたのかも知らない。
だから、あたしは拳銃を持つことはなかった。
誰かを直接傷つけることも、誰かに傷つけられることもしなかった。



