蒼の花と荒れる野獣


「お、俺の…オンナ?」

俺の女って何?

えっと、あたしは貴方の所有物なんですか?

だけど、この状況はとても聞きやすいとは言えない。


「要は仁の彼女ってこと」

理解していないあたしに、綾が説明を加えてくれた。

って。

「あたし、いつ仁の彼女になったの?」

「俺も彼女にした覚えはない。だが、姫になったということは、そういう風習なんだ」

「古臭いね」

「…どうであれ、そう見られてしまっては仕方ない。今やお前は俺の彼女として、厄介な集団から目の敵にされている。奴らは、お前さえ手に入れば俺らの行動を制限できるからな」

「それがBreakだって言いたいの?」

「………」

「というか、そもそもBreakは何で獅獣に固執するの?」

たしかに大きな族ではある。

この地域一帯を支配する、獅獣。

300人以上の所属数を誇る、その頂点に立つ男。

それが仁。

だけど、言ってしまえばそれだけなのだ。

それ以上のなにかがあるとは思えない。

この地域のトップが欲しいなら無謀な戦いはしないだろう。

それか、Breakの頭がとても頭が悪いか。

だけどトップというものは、頭が悪いとうまく成り立たない。

人を上手に動かすことができる人じゃなければ、暴走族に限らず、会社も同じように潰れていく。