「仁、誰から聞いたの?」
「それを聞いてなにが変わる?」
「これからの行動が大きく変わるかしら」
「…じゃあ言わねえよ」
「なに?琢磨が怒られるのをみていられないって?そんな能無しでわかりやすい人初めて見たわ。貴方、もう少し思慮深いと思っていたのに」
残念ね、そう鼻で笑った。
「お前っ!」
飛びかかろうとした悠人を綾が手で制した。
「影武者ですって?人をなんだと思っているの。そんなもの自分の力で掴みなさいよ。影の世界に生まれてきた人間なんてそう多くないのよ。でも見たところ、その生徒会長も、隣のパーマをかけた茶髪男も、あたしと同じくらいの身長のあなたも、初めから影の人間として生まれてきたのではないのでしょう?」
「はい、僕らはみんな影武者として生まれてきたのではないですね」
「じゃあ、自分の生き方くらい自分で決められるわよね?」
「……決めたから、ここにいるのですよ」
「いいえ、決めていたら貴方はここにはいないはずよ。…暴走をするために入った人間が駒のように扱われる将来なんて望むはずがない」



