「ど、どういうこと?生徒会長って」

「…本当に覚えていらっしゃらないようですね。僕は、姚島蒼井の生徒会長です」

「いつだったか、会っただろ。覚えてないのか?」

綾に言われたがなにせ全く覚えていない。


「…生徒玄関で」


「あ!」

「……ようやくですか」

「でも!綾は仲間はいないって」

「こいつは影だ。影の存在を堂々と学校で明かすバカがどこにいるか」

「影って、なに?」

「…影武者のことだ。この生徒会長が、下山 冬理(しもやま とうり)影の幹部のメンバーの1人だ」

「…影にも幹部とかあるのね」

「受け継いでいかなければならないものだからな。影は影として仲間に引き入れる。まあ、表面上はみな一緒だが」

「僕は影のメンバーでも目立たない方ですから。こうして、姚島蒼井にも入れたんですよ」

「綾は獅獣の大体は若宮学院にいるって」

「あながち間違った話ではないな。暴れる専門の方は若宮。影は姚島蒼井。昔からそう決まっていたんだよ」

「じゃあ、綾と仁は……」

「仁たちは例外だ。なんせお姫様が、姚島に入学してしまったからね」

翔の言葉に首を傾げる。