あれからすぐに風邪は治って、あたしは翌日も学校に元気に登校した。
そうやって過ぎた数日間で大きく色々なものが変わった。
まず1つ、綾が学校に来なくなった。
ジュリアも倉庫に入り浸り、大学は?と聞いたら、もう休みに入っていると言われた。
そのせいか毎日のようにジュリア、もとい彼らの中での夢を甘やかし、夢もそれに応えるため、綾が学校に来るのが、1日、2日と空いて、気がついた時には来なくなっていたのだ。
そうしてあたしは、流梨花達と久々に仲良くできるのだった。
流梨花達とは綾が来てから話しづらくて仕方がなかった。
だって生活の全てが獅獣というか、綾中心で回っていたから。
お昼は、綾が第二音楽室を、獅獣の倉庫に向かうからそれについて行くことになって、唯一の自由は各教科ごとの10分休憩くらい。
このみも流梨花も何も言わないでいてくれて、ただいつもの光が差す世界の話をして、あたしを決して裏切らないでいてくれた。
そして、もう1つ、大きく変わったことがある。
それは。
「和佳菜、帰るぞ」
そう、仁が転校してきたことだ。