「…すみません。今日はあたしの都合が悪いので、明日ではいいでしょうか?」


「明日か…いいだろう。じゃあ、明日の放課後」


「えっ、あの放課後じゃなくて…」


「昼は空いてない。また、 “都合が悪い” のか?」

そう言われると引けないのをこいつは分かってる。


分かってるけど、こちらに合わせてもらってるし、仕方ないってあたしが思うのを知っているようだ。

悔しくて、唇を軽く噛んだ。


「じゃあ、明日の放課後」


「あと!」

少し前を歩いていたその人が、そう言いながら、振り返る。