琢磨、絶対に怒っているよね?
当たり前だもの。
夜の8時に家にいないだけで電話をかけてくるような人よ?
Breakの人に追い回されて、ここに泊まった時だって大変だった。
琢磨は朝っぱらから怒鳴り散らすようにここに入ってきて、強引に連れ去ろうと目論むし。
一緒に来た昌さんや勝哉、千歳にいちゃんに怒られた綾は可哀想だった。
あたしも同じように帰ってから説教されたのだけど。
[外泊や8時より帰りが遅くなる時は必ず連絡を入れろ]
当然のことを、どうして決まりごとにしなければならないと、琢磨に散々文句を言われ続けながら約束を作った。
それが守れないのであればここには任せられないと。
琢磨がはっきりと綾に伝えたのはその意思の有無を確認すると同時に、あたしを檻から出す決意表明にも見て取れた。
あたしはこの数ヶ月間、ずっと大切に守られてきた。
放課後友達と遊ぶことも、1人でどこかに出かけることもずっと禁じられていた。