「まあ、なんでもいいけど。決戦は明日だな。和佳菜はここにいろ」
「え、ついていけないの?」
決定事項のように言う仁に不満げに漏らす。
「当たり前だろ。敵陣に踏み込むのに、大事な姫連れてく馬鹿がどこにいる?」
「…たしかに」
綾の言うことは理解できる。
というか当然のことだ。
だけど、…この違和感はなに?
あたしは、どうしてこんなにも心の中に嫌なものが残るのか。
「大丈夫だ。ここには次期幹部つけておく。お前のことは細心の注意を払って護るように伝えている」
「そうじゃないわ」
そうではない。
そういう話をしているのではない。
そうではない、けれど。
何か、が。
あ。