「どうしたって」

「お前がなんでそんなに不安になる?」

「……いやな予感がするから」

その予感だけじゃどうもあてにならないのは十分承知の上だったけど。

あたしの勘はなんせよく当たってしまう。

悪い勘ほど余計に。

「大丈夫だ、和佳菜。心配することはない。俺らはそう弱くはない」

「そうだけど」

分かっている、彼らはこの300人以上いる獅獣の幹部なのだ。

強いに決まっている、そうは簡単にやられない。

それでもどうしようもなく不安なのだ。

「…和佳菜ー。お前、ロボットちゃんから脱出したな」

「脱出?」

綾の言葉はよくわからない。

それも、話の腰をおるから文脈から判断出来ない。

それを言うなら、ロボットちゃんじゃなくなったな、で充分なような気がする。