「それだけのためにここにきたのか」
「ええ。だから、もう部屋に」
戻ろうと、思ったのだけれど。
さらりとあたしを腰にひきよせながら、ようやく目で綾を捉えた。
「綾、明日の準備は出来たか?」
「ああ、もう整ってるよ。…これで、ようやくNo. 1だな」
「そうだな。もう邪魔者はいなくなる」
明日?No. 1?邪魔者?
意味の分からない単語がいくつもあたしの上で飛び交う。
「あの、綾。仁がここにいることをなぜ知らなかったの?それに、明日なにかあるの?」
こんなところで質問なんて絶対におかしい話なのだけど、分からないことがたくさんあって整理したかった。
「そっか、和佳菜には話してなかったな」
綾が苦笑いをしてあたしを見たが。
もっと意味が分からなくなった。
あたしに、話していないことがあるのだろうか。
特に秘密になにかを進めていた様子は見受けられなかったが。



