笑って返した言葉をジュリアは真剣な顔で跳ね返す。

「無理をし過ぎよ。新しい環境に慣れようと必死だったのかもしれないけど、やりすぎなのよ。また熱を出してしまうわ」

「そのつもりはなかったのだけど」

「無意識にやり出すから、怒れないんだよね」

Juliaはため息をついてから、だけど…と続けた。

「だけど仁ならワカナの気持ちを受け入れてくれると思う。まだ怖いかもしれないけど」

「仁が…?」

「ああ見えてもいい男よ。貴女が信じてくれるかは怪しいけど」

「Juliaはたくさん男の人で失敗してきたものね」

「そうよ!だからこそ言えるの。行ってきてあげたら?」

Juliaが笑うから、いいのかはまだ分からないけど。

「行ってみる」

5回も来てくれた仁にはもう元気だと伝えたかった。

ほかにも色々と伝えなければならないことがあることだし。