「そう言うと思って持ってるわ。表面のガラスは処分したけど、いいよね?」
ハンカチに包まれて出てきた自分の携帯電話を見た瞬間。
「いい、ありがとう」
ひったくるように受け取ると、胸に抱きしめた。
途端に、急に激しい動悸があたしを襲う。
「大丈夫?ワカナ」
見かねた彼女がそっとあたしの肩に手をおいたけど、あたしは静かに首を振った。
「大丈夫。……大丈夫、だから」
ハアハアと息絶え絶えに言葉を紡ぐと、立ち上がろうとした。
だけど、足に力が入らずにがくんとベッドに倒れてしまった。
「まあ!なにしてるの!」
慌てたJuliaが、あたしの額に手を当てると。



