「どんな脅しをされたって、もう戻らないと決めてたの。その結果、国を追われて今はここにいるけどね」

そうだったのか。

Juliaのことをあの人は、排除したと言っていたけど、国から出していたなんて。

それくらいの軽いもので終わったなんて、少し信じられない。

Juliaくらい絶対的な信頼を寄せられていたひとなら、…きっと殺されていると思っていたけど。

彼女は今生きている。

それがなによりもの証拠であり、現実である。

「じゃあ、Juliaは、今は」

「ここでメンタルトレーナーとして働きながら、大学に通ってるの。……結局は、やっぱり闇の世界から逃れられないのね。だけど、あの人とは会わない世界だから。…あたしはずっといいの」

その穏やかな笑顔をあたし、初めて見たわ。

あの場所にいた時にはそんな笑顔を見られなかった。

ここが彼女を変えたんだ。


そう、確信した。