ああ、そういえば何才なんだろう。

何年生か、どこの高校に通っているのか。

あたしは何も知らなかった。

この1週間、見ていたのは背中だけで。

知っているのも、暖かくて大きな優しい背中だけだった。


「ごめんなさい」



色々な意味を込めて、そう言葉にする。

あたしを守らせてごめんなさい。

貴方を疲れさせてごめんなさい。


そして、貴方を利用しようと今でも迷っていて、ごめんなさい。







…気がついたときには、既に仁の姿は見なかった。

いつのまにかあたしもここで寝てしまっていたようで、毛布が肩からかけてある。

これが出来るのはこの部屋の主の仁しかいない。

「ありがとう」

そっと呟く声が彼には聞こえないとしても。

それだけはどうしてもいいたかった。