蒼の花と荒れる野獣


「トイレ行ってくる」

「どこかわかるか?」

「突き当たりを右でしょう?さっき見えたから」

入る時にあたりを見回りしていたので把握済みだ。

そうか、と言った仁はそれ以上何も言わなかった。

迷うことなくトイレを見つけ、用を足した後にこの部屋に再び入る頃には。

「寝てる」

仁は深い眠りの中に沈んでいた。


ベッドに横たわったまま、寝巻きにも着替えずに。

そこでやっと、彼が疲れていたことに気がついた。

それはそうだろう、今日は随分と走り回ったのだ。

疲れない方がおかしい。

「お疲れ様」


そう言って彼の頬を撫ぜる。

その心地好さそうに眠る姿には、若干まだ幼さが残る。