蒼の花と荒れる野獣


それから満足げに頷いた高岡は。


「気に入った」


ニヤリと笑ってこちらを見た。


「あたしのどこが」


「そうだな。裏表のない感じや雰囲気。後は目だな」

「目、ですか?」

「そう、お前の目は真っ黒だ。なにも映してない。お前はなにを見ている?」



なにを……か。


この人はあたしになにかあったことを多分、本能的に察知してるんだ。

他の人にはない、特別ななにかを。


そして、それを見たいと。

「別に、皆さんが見てる世界と同じだと思いますよ」

でも、ね。



教えてあげるほどあたしは人が良くない。


さして信用もしていないあなたに見せるはずがないでしょう?


そしたら、またクックックっていかにも楽しそうにその人は笑って。


「これは、あの人が気に入りそうだ」


と言った。