「はい、終わり」 それからやっと仁のあの痛い消毒が終わった。 あたしが心の中でもう仁に頼まないと誓ったのは内緒だ。 「じゃ、寝るね」 そう言ってベットから立ち上がる。 ありがとうね、とだけ伝えるとドアノブを回した。 「わ、和佳菜」 どこか慌てたように仁があたしを呼んだ。 「なあに」 くるりと振り返る。 「もう少し、ここにいろ」