でも、あんなことって何だろう。


もしかしたら、前に行っていた千夏さんが関わっているのかもしれない。

としたらどうなんだろう、聞いた方が気が楽になるから聞くべきなのか?

それともそっとしておくという優しさが大切なのだろうか。

どうしよう、ロボットちゃんってあだ名をつけられるくらい人の気持ちが分からないからこういう時どうしたらいいか分からない!

『和佳菜の課題だよな』

頭の中に琢磨の声が響いてきた。

そうです、琢磨。その通り。

ね、どうしたらいいのだろう。

駆け引きの時は人の動作や顔の表情から判断出来るのだけど。

そういうことは、人が目の前にいないと出来ないから。

だけどきっと仁のことは、目の前にいたって判断なんかできないのだろう。

慎重でかつ用心深い仁は、あたしが駆け引きをしようとしたって、どうせ乗ってなどくれないだろうから。