「あ、陽太お疲れ様。さっきの仕事は終わったの?」

「あ、お疲れ様です。あのあとは佐久間さんのところにあいつを届けただけなので。ってそうじゃないですよね」


「そうだった。話を戻すけど珍しい、って?」

「仁さん。あんなことがあってから、最近全然倉庫に来なかったんです。それに来ても女の人の怪我の手当てなんてするような人じゃないんです」

「あんな、こと…って」

「和佳菜」

「ほらほら行ってあげてください、早く!仁さんが野獣と化す前に」


野獣って、この代にも琢磨みたいに暴れる人がいたんだ。

ああ、でもそうか。beastって“野獣”って意味だものね。


「うん」

そう言いながら階段を上る。