蒼の花と荒れる野獣


「和佳菜…それでも」

「それで君、名前は?」

「だから」

「教えられないとでも言うのかしら。あなたは圧倒的に不利な立場にいるのに」

ふわりと笑ってみせる。

目の前の男の顔色が変わった。

「…志田 朋也(しだ ともや)」

「朋也ね、よろしく。あなたはどうしてあたしを襲ったの?」

「…総長命令だ」

「お前、どこ属してる?」

仁が、再び口を開く。


「Breakだよ!お前らの敵の!」


ああ、噂をすれば。

「…そう。なんの目的で?」

「お前に教える義理はねえよ」

「なら義理を作ってあげる」

「は?」

「あなたがここから生きて帰りたいなら、あなたが知ってる全ての情報をあたしに渡すこと。そうするなら、あたしはこれから何もしてあげない」


「もし、……俺が何も話さなかったら?」






「さあ?自分の頭で考えて。簡単なことよ」



「っっ!!!」


「さあて、どうする?話す?話さない?」


青ざめたその顔を見るのは楽しく仕方がない。

ああ、そうなこんな感覚だったわ。




「す、全て話させていただきます!!」



しばらくして聞こえた絶叫はそんなものだった。