乗ったね。
あたしは軽く微笑むと角に向かって走った。
当然のようにバイクもあたしを追う。
そのまま角を曲がるとバイクから見えない死角になる細い道をたどる。
その裏道から表通りに出ると待っていた仁のバイクに乗った。
「倉庫行くぞ」
「そうしたいけど、あいつ捕まえないと意味ないわよ」
「それは獅獣が行う。お前の出る幕じゃない」
淡々と告げる仁の話は理解出来るけれど、そういう問題ではない。
あたし狙いの犯行を誰かに任せるのは癪だ。
ましてや、この場にいない大勢の人を巻き込むなんて。
「だが和佳菜。あいつはどうやらそのまま倉庫には行かせないつもりらしい」
驚いて後ろを振り返ると。
銀のバイクが、あたしをめがけて猛スピードで追いかけてきた。



