蒼の花と荒れる野獣



ヴォンヴォン……!!



バイクのライトがいきなりあたしたちを照らした。

それと共にあたしに威嚇をするように大きな音を立てる。

眩しくてろくに目も開けられない。

そんな中、あたしに向かって走ってきた。


「和佳菜っ!」

焦った仁の声が逆にあたしを冷静にさせる。

「仁」

「なんだ」

「逃げて」

ここは危ない。

道も狭い、今は電灯の明かりだけ。

顔の表情や行動の全てが把握できない。

だけどはっきりとわかることがひとつだけある。

このバイクに乗る男が狙っているのは、間違えなくあたしだ。

余計な人まで巻き込みたくはない。

「はっ?こんなとこで逃げられっかよ!」

その瞬間、ふわりと体が浮いて。

「落ちるなよ」

仁の腕に抱かれて仁のバイクに乗せられると、共に乗った仁とあたしはバイクを避ける。