にしても、この人。


意外と真面目だ。


赤髪のくせにメモしっかりとってる。


「これくらいで良さそうですね。じゃあ、次に行きましょうか」

進行してるのは、ほぼあたし。

男の人が苦手な流梨花はほとんど喋らないし、高岡も黙って校内地図を見ているからなんだか気まずい。


さてと、次はどこへ行こうかと巡らせていたら。


「ごめん、和佳菜。あたしお手洗い行きたくなっちゃった」

そっか、うーんどうしようかな。


2階にある、この第2音楽室の近くにはトイレがない。

トイレに行くにはこの芸術棟なら、3階か1階
に行かなきゃならない。

「次、どこ行くー?」

「次は…行くなら美術室かな」


ここから1番近い場所がそこなんだ。


「じゃあ3階ね!あたし先行ってるから、2人はゆっくり来てー」


なんて手を振ってすぐに遠くへ走って行ってしまった。