「獅獣の副総長さん」
玄関に差し掛かったところで男の子にそう呼び止められる。
「なにもんだ」
「うちの風紀、荒らさないでくれます?」
そう言った彼には見覚えがあった。
「貴方は確か、…生徒会長、ですよね」
この前ステージの壇上に上がって…なにかの挨拶をしていた気がする……覚えていないけど。
「そうです!覚えてもらっていて光栄です、水島さん」
「…生徒会長の顔くらい誰だって覚えてますよ。というか、なんであたしの名前知ってるんですか?」
「有名ですよ?美人で1年最初の模試にして、全国1位を取った貴女のことは」
ああ、あたしがしくじったやつを覚えている人がいるのか。
表彰もされたしね。