「ちょっとお使い行ってくるーみたいな雰囲気で言うから待ってたんだよ」
南……!
「うーん、君の連れかなーって思ったんだけど違ったみたい。あの子には申し訳ないことしたなあ」
おいおいお前、顔真っ青だぞ。
呑気な口調で話してるけど、顔は全然呑気じゃない。
一種の恐怖を味わったようだ。
「お前、何見たんだ?」
「口調が乙女の顔がギャル」
「はっ?」
「いやあ、あれは恐怖だね。顔黒くて、メイクもどぎつくて、香水が臭い臭い。…うん、あの部屋にはもう二度と行かない」
いや、寧ろ申し訳ないことをしたのは和佳菜の方だろう。
「まあ、そんなことより君が欲しいのはbeast君のことだっけ?」
そうだ、本題はそうだったんだ。