「ごめん和佳菜、お前のうちに入っていったのあいつ見てたらしい」

『……ああ、そうなの。それであんな面倒なことになったのね』

「本当にすまない」

『正直これやるのは物凄く疲れるから、許したくないけど、これはあたしのミスであるから許す』

んん?どういうことなんだ?

「俺、許されてんの?」

『一応はそういうことにしとく』

回りくどいやつ。

あ、エレベーターのランプが光った。

だれか降りてくるらしい。

いやな予感。

「じゃあな、また明後日」

じゃあね、と彼女との通話がちょうどよく終わったタイミングで。

「あっ、待っててくれたんだー!嬉しー」

俺の嫌な予感は的中しちまう。